​私はどうして販売外交に成功したのか

フランク・​ベトガー

私が生まれた年に出版され(1964年)、その後50年以上に渡り読み継がれている名著です。

「私はどうして販売外交に成功したか」という、タイトルコピーは傑作です。

コピーの型として、
「なぜ、私(あの人・あの会社)は、〇〇で成功したのか?
というのは、現代でも使えます。

実は、この本は警察を辞めて、次の職場(会計事務所)に行くまでの間に読んだ本で、とても助けられたという思いがある本であり、私にとってはとても大事にしている一冊です。

少し自分のことを書きます。

警察を辞めた29歳。

社会人として、何も知らない、何も出来ないことに気付いてしまいます。

次の職場も決まっておらず、学ぶにも何を学べばいいのかさえわかりません。

当時(27年も前)、地元の大きい本屋に行きました。

本は好きでしたし、学ぶには【本】が必要だと考えたからです。何かを見つけられるかもしれない・・・数日間通ったことを覚えています。

実は、あまりに何も知らないことに、自分でショックでした。自分が何が出来るかという段階にもなく、「このままではダメ」ということだけが、ハッキリしました。

しかし、働かなくてはなりません。
(辞めたきっかけや理由は、また今度)

どうすれば働けるのか、何かの答えが欲しくて、本屋さんには悪かったのですが、とにかく立ち読みしました。
(当時、余裕もなく1冊の本を買うのにとても慎重でした)

そこで見つけたのが、この一冊でした。
(この本をきっかけに、デール・カーネギーも知りました)

この本は、セールスの名著と言われて、読み継がれてきました。

本の奥付は、49刷となっています。ほぼ毎年増版されているという驚きのベストセラーです。

本の内容は、セールスが中心ですが、マーケティングにも通じるところもあれば、ブランディングに通じるところもあります。

私は、最初の項目で、当時の自分にスイッチが入ったので、自己啓発的な部分もあります。

実話や実例は、50年以上の前のことですから、古いのですが現代風に置き換えて、私なりの解釈でお伝えしてみます。

そして、この本を買うきっかけになったのが【タイトル】。

「私はどうして販売外交で成功したか?」

このタイトルは、

どうして、・・・・成功したか。

と、成功した理由が書かれているとしか思えないタイトルです。

このタイトルのコピーライティングの型は、現代でも使えます。

「どうして、あの会社は業績を伸ばし続けているのか」

「なぜ、私は〇〇で成功したか」

「あの会社はどうして、〇〇で成功したか」

あなたの会社で使うには、どう使ってみますか?

自分の会社のことで使おうとすると無理がありますよね。

お客様だったらどうですか?

あなたのお客様のことを、

「〇〇さんはどうして、□□で何々になったか」

あなたの会社や商品によって、いいことがあった、損をしなかったということに興味を持てば、このタイトルを見て期待する人は、見込み客に違いありません。
(医療法や薬機法などの規制に係る表現などはNGですが)

私自身の例で、ちょっと捻ってみます。

「元刑事の私がどうして、コンサルタントをやれるのか」

経歴の珍しさと今の仕事のギャップに興味を持たれたら見てくれるかもしれません。しかし、面白そうというだけで本業(コンサルタント)に期待はしてくれません。

もう一捻り。

「なぜ元刑事が、コンサルタントとして稼げるのか」

これも上記同様の部分はありますが、「稼げる」という言葉が入ることで、稼げる方法が書いてあるのかもしれないと期待される部分は生まれますが、自慢話的な感じもしますから、嫌みな印象を与えてしまいます。

だから一工夫。

「元刑事の私が、高報酬コンサルタントで稼げる理由」

かなり生意気な感じですが、「高報酬」、「稼げる」が読み手の感情を煽ります。もしかしたら、稼げるヒントがあるかもしれないと思います。

ショルダーコピーをつけたら、どうでしょう?

士業・有資格者の方、必見!
「元刑事の私が、高報酬コンサルタントで稼げる理由」
     
どうでしょうか?

コンサルタントという個人の力量で行う業務ですから、
同業態の士業の方や有資格者の方は、似ている業種になります。この部分をターゲットとします。しかも、高報酬というのは、ありそうでない現実です。

ですから、
元刑事という訳がわからないコンサルタントが高報酬?、稼げる理由?

胡散臭いと感じつつも、士業・有資格者の方には興味を持ってもらえるタイトルに近づいたのではないかと思います。

1.自分の仕事に情熱を持て

「お前はのろまだからクビにする」と告げられた、当時プロ野球選手のベトガー。
非常に神経質で、プレッシャーに弱かったそう。


変われた理由とは・・・

新天地で、のろまと言われないためにプレーすると決めたから。要は、新天地がリセットのスイッチになったということです。

熱中したため恐怖心を克服し、他の選手にいい影響を与えたとあります。
地元新聞には、「気力のベトガー」と紹介されたそうです。
ところが、腕の骨折により野球を断念。

失意落胆のどん底状態で、カーネギーの話し方教室に通ったと。そこで、思い出したことが、気力のベトガーと呼ばれた情熱。

「情熱の人は、情熱の行動から」と書かれており、百の理屈も千の理論も及ばないと。

販売成功の要因は、「情熱」だと言い切っています。

そして、30日間を情熱的な行動を起こすことで、それがクセづいて情熱的になるとしています。

自己啓発的であり、イマドキではやや気恥ずかしさもありますが、言われていることは、本当にその通り。

情熱的という表現を、イマドキに変えれば「夢中」かなと思います。

私は、どちらかと言えば体育会系。
前回に書きましたが、警察を辞めて本屋に通い見つけたこの本。

買うきっかけは、「情熱を持て」というこの項目でした。

この項目で、この本の著者のことは何も知らなかった私は、一度で信用し学ぼうと思ったのです。

この本に書かれた内容は、昔の話であっても情熱が伝わります。とても直球ですから、響きました。

今の時代では、がむしゃらに進むようなキャラクターは、時代遅れのようであり、ちょっと引かれてしまいます。

しかし、情熱の大事さは、仕事をやっている人は知っています。

自分も含めて、カッコつけたり、わかっている風を気取ったり、ちょっと冷めた感じで冷静にふるまう方がイマドキだと思ってしまいます。

熱のこもった直球のメッセージは、今でも通用すると思いますし、必ず届いているものと思います。

話し方が不器用でも売れるセールスマンの話は、いろいろな業界で都市伝説のように語り継がれます。

話し方が不器用という側面は確かにあるでしょうが、きっとその人は顧客に熱意を伝えることが、出来た人なのだと思います。

私が、この本を読んだ時は、まだ30歳前。
ちょっと勢いもある年齢、他には何も知らないので一直線。

今は、50歳中盤を超えて・・・恥ずかしさも出てきます。
「今ごろ、何言ってんの?」と言われそうです。

しかし、読み返してみて、この文を書いてみて改めて思います。

仕事に情熱がなければ、上手くいかない。

そして、情熱の源は、自分の商品やサービスへの自信だと思っています。

自分の商品やサービスが、顧客に役立つ・喜んでもらえるという事実と自信があるからこそ、情熱的になれると思います。

 

2.販売は、人に会うことから ~1日4人に面会する
 
何をやっても上手くいかなったベトガーは、自分のデスクを整理して辞めようとしたところで、会議に巻き込まれて社長の話を聞くことになる。

「出来るだけたくさんの人に会い、熱心に話してみること」という、至極 当たり前の言葉で目が覚めたと言っている。
 
そして、少なくとも4人の人と会うようにしたところ、上手くいき始めたと。
 
現代に置き換えても、1日に4人と会うということは、確かに大変だ。

インターネットの時代でも、あなたを知らない人に営業行為を行うことは、とてつもなく難しい。

自分で考えてみよう・・・・「コンサルいりませんか?」

そんな胡散臭いことを言う知らない男の話を信じる人も、そんなことを言うヤツの話を聞く人はいない。

つまり、自分の仕事を誰かに熱心に伝えるという基本的なことは、実はとてもハードルが高い。

この本が書かれた50年以上前も、今でも、知らない人に会うことは難しい。

この本では、会う方法(アポ取り)は書かれていないが、きっと紹介や知人を訪ねてお願いすることで、会う機会をつくっていたのだと思う。

又は、いきなりの飛び込み営業だったのかもしれないが、この当時のベトガーの仕事(保険契約)を考えると、叩き出されてもおかしくないと思う。

今では、インターネットがあり、SNSというツールがあり、「はじめまして」 ということについて、若干ハードルが下がっていると思う。

実際、フェイスブックでは、友達の知り合いに友達申請できてしまうのだから。

インターネットが普及する前、自分が開業した23年前は・・・大変だった。

この本を読み、転職先の会計事務所で営業するために、先ずやったこと。

紹介してもらうに値する仕事をしようと決めたことだった。
(このことは、初めて人に伝えていることで、少し恥ずかしい感じがする)

そして、自分の仕事を評価してもらえた時に、「どなたかを紹介していただけないでしょうか?」と切り出していた。

このことをインターネットに置き換えた時、自分がこれまで怠けていたことを十分に理解した。

なぜなら、インターネットで自分の仕事や品質を評価してもらうだけの情報発信を怠ってきたからだ。

だから、フェイスブックを再開した。
そして、多くの人ともう一度会い、誰かの何かのお役に立つだけの情報発信をしなければ、新しい人に会えないことに気付いた。(有難いことに、以前からの知人・友人、新しい方と少しづつ会えている)

ところが、ベトガーと同じように、自分も罠にはまった・・・。

少し行動し、少しだけカタチが見えて安心してしまい、また怠けた。
 
どうやらベトガーも同じだったらしい。

だから、自分の行動を記録した。
そして、自分の行動を記録することも、怠ける始末だったらしい。

行き当たりばったり、スケジュールなし。
自分のフェイスブック更新もそうなった・・・。

クライアントさんの案件や〆切は、どうしても守るという気概と行動が 身についているのに、自分のこととなれば、忘れてしまう。

ベトガー曰く、自分自身の記録を研究した。
自分も、自分自身の記録を研究してみることにしよう。
そうすることで、怠け癖も改善できるかもしれない。

・すぐれた話術から自信が生まれる

この項は、自分に自信を持つことで行動が変わるとしている。そのきっかけが、話し方教室(デール・カーネギーということがすごいけれど)
 
誰でも自分に自信満々の人は、そういない。
だったら、自信を持てることを見つけるといいと思う。

自分? 用心深さには自信がある・・・だから準備する。
言い方を変えれば、臆病。

長所と短所は、表裏。
きっと誰でも、自信がないことはある。
その裏返しは、自信があることにつながると思う。

自分は、この自信のおかげで、今の仕事が出来ている。
 

・自分で自分を監督せよ

 スケジュールの大切さを説いている。
 時間管理は、現代でも大切なこと。

 いつの間にか、スマホを見る時間が増えている。
 何をしていたか・・・なんとなく。
 これでは、効率は上がらない。

 
 

3.人を納得させるには

以下のデールカーネギーの言葉は、今でも衝撃的であり、マーケティングにもセールスにも有効な内容。

「世の中で、人にあることをさせるように口説く方法は、たったひとつしかない。 それは、その人が何となく自発的にそのことを実行したくなるように、上手に道案内してやることである」

この言葉を説明する事例が書かれています。

雑誌の予約購読を売る男の話。

その男は以前までは「買ってくれ」と伝えていたことを、
「あなたのためだから」とすすめたところ大きな成果を得たというもの。

違いは、たった1点。

自分の都合で「買ってくれ」と言っていたことを、相手のための言葉に変えただけ。

このことは、当たり前のことであり、ビジネス書にありがちな話でもある。

しかし、私を含めて多くの人は、売上を上げよう、利益を得ようとする際に「いかに売るか」、「どうやって売るか」ばかりに執着してしまう。

その方法よりも、相手のことを考え、相手のために提案することこそ、受け入れられる。

ややもすると、忘れがちな本当に重要な内容であり事例。

更に、次の項では、このようなタイトルになる。

・反対でなく質問せよ

大型契約では、成約率が上がらなかったベトガーは悩んでいたそう。

そのころ、アメリカの一流セールスマンの話にヒントを得る。

「押しつけがましい表現のみに走りすぎていた」
自分がその通りであったことを自覚し、これまでと違うアプローチを見出した。

それが、質問する技術。

相手の反対に対して、絶対に反抗する様子を見せない。
どこまでも質問を続ける。

と、いうもの。

この技術の内容については、詳しくは書かれていないが、
ベトガー自身の事例が書かれている。

ある大型契約での話。
事前に質問を用意し(14項目)更に、2時間かけて順序を組みなおし、面会する時間まで研究した。

つまり、用意周到に事前準備を行ったということ。

結果は・・・、質問し、相手を肯定し、最終的に契約。

大型契約での競合は、名だたる一流保険会社であり、旧知の仲や紹介されたセールスマンだったにも関わらず、ベトガーに決めた理由は?

相手の契約書のことを考えて、質問を用意し、提案したこと。

この項の最後に、契約者の言葉がある。
「ところで、君の会社はどこだったかね」

相手から信頼されるにあたり、会社名も間柄も重要であるには違いないが,どれだけ相手のことを考えて、提案することが重要かを教えてくれている。

きっと、この話は、これまで多くのマーケティングやセールスのノウハウに変換されている。

なぜなら、私もそうであるように、これを読んだあなたも、どこかで聞いたことがあるような話だから。

しかし、それを実際に活用していることは少ない。

この話を基に、マーケティングステップやセールスアプローチを考えてみたり、ウェブサイトの導線設計を変更することにも役立つと思われる。

使う使わないは、あなた次第。

 

4.成功のための11項目


 販売に関する重要な項目として11の項目が列記されています。


(1)面会の約束をすること
当たり前過ぎますが、アポなしではうまくいかないのは今も同じ。
どうやれば面会の約束を取れるのか、他の項目が参考になります。

(2)準備をすること
出来るだけ早く周到に、ということ。
この時代は、会うという前提です。何の準備もなしでは会話にならないですから。
これは、現代も同じです。

(3)主なる論点は何か
相手に興味を起こさせる点を見つけておくこと
しかも、一点集中だと言っています。

(4)主なる論点を書きとめておくこと
会話しているうちに、忘れることもあるということ。
現代においても、ノートを出しているは不思議ではなく、むしろ誠実な印象です。

(5)質問すること
準備しておくことの具体的内容は、この質問内容のことになります。

(6)ダイナマイトを爆発させること
意表をつく、驚かせることは、相手に印象づける機会を演出するということです。

(7)恐怖心を起こさせること
利益を得ようとする欲望と損しては困るという恐怖心。
50年以上前に、恐怖心が人を動かすことを伝えています。

(8)信用を得ること
買い手の助手になること、競争相手を褒めること

(9)相手の能力について正直な評価をすること
お世辞ではなく、相手の立場や能力を褒めること

(10)必ず商談成立することを信じること
心構えとして、必須です。

(11)対談中は「あなた」を使う
これは日本人的には、馴染まない部分も多いと思います。法人営業であれば、職位。対個人であれば、苗字で呼ぶのが普通ですよね。

この項目に追随する内容として、以下が書かれています。

■質問が重要であること
■聞き上手が成功すること
■信用を得るために証人を持ち出すこと
■服装が大事なこと(第一印象)
 

そして、更にベトガー本人が行った訓練として
■笑顔の訓練
を挙げています。

恥ずかしい話ですが、私は警察(刑事)でしたので表情 が・・・でした。
この話を読んで、鏡の前で、「ニコニコ」してみた頃がありました。

今は、いつもニコニコしているわけではないですが、昔よりもマシではないかと思います。

その後、この本では失敗する理由や、上手くいくコツが列挙されていますが、前半部分と、ほぼ同じ内容で繰り返しとなります。それだけ重要だということだと思います。

・新しい顧客を得るには
顧客から忘れられないこととアフターケアを重要視。
これは、新規顧客獲得が紹介という前提だからです。

現代でも、口コミやレビュー、ネットで拡散するには必要です。

その後、フランクリンの教訓としての13項目を説明し、日常行動の大切さや

当時の販売テクニック(契約時)を紹介。

最後の一言は、こう締められています。

「のんびり構えていると、とんでもないことになる」、早く実行しよう、と促しています。

この本の内容紹介は、ここで終了です。

何かのお役に立てれば、嬉しい限りです。

 

私は、このページをたまに読み返して、反省しつつ前進しようと思っています。