ホイラーの法則
​1937年 エルマー・ホイラー

ホイラーの公式 第1条
ステーキを売るな、シズルを売れ!

マーケティングやコピーライティングを学んだ人や本を読んだことがある人は、

聞いたことがあると思います。

本の中での事例として、電気掃除機が取り上げられ、新製品としての、

いくつもの特長や機能が挙げられています。

そして、それらを売るなと言っています。

じゃあ、何を売るのか?

・腰が痛くならないこと
・手間がかからないこと
・もっとキレイになること

つまり、構造や機能ではなく、
電気掃除機を買う上での、買い手の価値。

売る場合には、その商品に惚れろとか、よく知れと言われていますが、

それは、買い手の価値が重要です。

そのことを、この本では、「ユー能力」と書いてあります。


お客様の目を通して、商品を見る能力、要は顧客視点。

どんな商品でも、顧客が使う場面を思い出してください。


その時の状況、感情、思い、出てくる言葉、それらの中に、

シズルが見つかるものと思います。

そして、そのシズルの表現も大事になります。


ステーキの焼ける音よりも、写真ですし、今なら動画。


百聞は、一見にしかず。


今の時代であれば、見てもらった方が早いということ。

あなたの商品のシズルを見つけ、シズルをどう伝えるか。


伝え方次第で、売れるかどうか決まります。

 
 

ホイラーの公式 第2条
手紙を書くな、電報を打て!

これは、相手に届ける早さを言っているように聞こえますが、違います。

短い言葉で伝えて、好意的な注意を引きつけろ!と、書かれています。

本文では、短い言葉のことを、「カチッとハマる」という表現をされていますが、

顧客が、「あぁ」とか、「へぇー」とか、スグに理解できるように、要約して

伝えるということ。

例えば、私はコンサルタントという看板を掲げていますが、聞いたことがあるけど、

何やっている人かわからない・・・というのが、本音のところかと思います。

だから、広告戦略という表現をしています。

戦略という言葉がわかりにくいのは理解しているんですが、広告だけだと仕事の

内容も違うしな・・・というところです。
 

最初のころは、マーケティングコンサルタントとしていましたし、

今でも自分のサイトではそうなっていますが、中小企業の経営者さんは、

「マーケティ・・?」となる方も多いので、フェイスブックでは、

広告戦略としたわけです。

すみません、自分のことばかり書きました。


本では、商品特徴を、カチッとハマる短い言葉でということを、

最初の10語は、続く10,000語より重要だ!と。

そして、好意的注意とは何でしょう?

本では、素晴らしい第一印象だと書かれています。

その第一印象を決める中に、態度や口調あるでしょうが、まずはハッキリと簡潔に伝えられるかどうか、ということです。

本文に、人々は、「即断」しがちなものである。と書かれています。

1937年の本ですが、2020年になっても、このことは変わっていない

と感じます。

つまり、インターネット社会であり、決断が早い環境だからこそ、あなたの商品やサービス、何をしてくれるのかということを、シズル(顧客視点での価値)として、

短い言葉で伝える工夫をする必要があります。

先ずは、顧客を振り向かせること。
そして、好意を持たれること。


モノが溢れ、似たような商品やサービスが多い時代、

この努力と工夫は怠るわけにはいかないようです。

 

ホイラーの公式 第3条
花を添えて、言え!

あなたの言うことに証拠を添えろ、
という意味で書かれています。

第1条で出ていた電気掃除機を引き合いに出して、「デモをしてみせろ」と説明しています。

ここで言われている、「花」のことについては、デモンストレーション、プレゼンテーションという意味と更には、「あなたのショー」なのだから、プロとしての表情や態度、シズルを表現した言葉、必勝フレーズで強化することも必要なことだと書かれています。

今の時代も、デモはあちらここちらで使われています。


店頭で、試食や試飲することもデモです。クルマの試乗や、洋服の試着もそう。
インターネットの無料ダウンロード、無料トライアルも同じですよね。

自分のビジネスに【デモ】は、使っていますか?


言葉を変えると、数年前に言われていた、「FREE」も同じことです。

この本が伝えているのは、デモのことだけではなく、それ以上に、【花】があるかないか・・プロとして認められるか、信頼されるかという点もあります。

売るためには、細かい部分も手を抜かず、気を抜かずに全力で、目の前の顧客に向き合うこと・・・当たり前のことですが、忘れてしまいがちなことです。

 

ホイラーの公式第4条
もしもと聞くな、どちらと聞け!

買うか、買わないかと迫るべきではなく、どちらかを選ばせるように、

慎重に言葉を組み立てなければならない・・・と書かれています。

どのように言葉を組み立てるかということについては、【質問の仕方】が大事。

ほしい答えが、返ってくる質問をしなさい、と。

「お支払いはどのようにされますか?月払い?年払い?」
「どう思われましたか?」
「いつお届けしましょうか?」

と、いう具合。

ただ、ここまで会話を進めるには、用意周到に準備して・・・となるわけですが、

ホイラー先生は、そんな面倒なことは言っていない。

「なぜですか?」と尋ねなさい。

お客様が、「?」と思った時には、聞いてみるということ。


お客様の「なぜ」を解決することで、前に進む。

イマドキでは、インターネット通販でよくあるFAQ。
お客様から聞かれる質問、よくある質問の回答。


よくよく見ると、一般的なところが多い。
きわどい質問やクレームめいた質問を載せることで、リアリティがあり、

お客様からは納得されるのでは。

商品やサービスの価格が高いと思われるのは、よくあること。高いには理由があるはずだから、お客様が理解して納得できる説明をする。

安いならば、安い理由があるはず。

 

要は、お客様から聞かれることを想定して、きちんと答えられるか準備しておくことが、前提条件。

更に、価格の点で言えば、プランBとCがある方が、お客様は選びやすい。

行動経済学では、A/B/Cの価格帯があると、Bが選ばれやすいということを言っている。ということは、お客様が選べるようにA/B/Cを用意しておくことも、前提条件の一つ。

きちんと準備して、お客様の「なぜ」を解決して選んでもらうことが重要です。

 

ホイラーの公式 第5条
吠え声に気をつけろ!

言い方に気をつけろ。
特に、声が、大事だということ。


子犬の吠え声、一本調子になるなと注意を喚起しています。

この項のまとめでは、「ほほ笑みを含んだ声」で話そうと書かれていて、おとぎ話のオオカミのように不誠実であってはならないと。

声、確かに大事です。出し方次第で、相手に与える印象は大きく違います。

電話の声でも、高圧的かどうかわかるほど。

今の時代に置き換えてみます。

文章も、【声】だと思います。
ここに書いている文章もそうですが、口語体。

文語体で書く場合は、取説の説明や公文書などであり、書き手の感情や主張は、ありません。

売るという場合には、DMでもネット通販でも、感情が大事ですし、売り手の主張や熱意を伝える必要があるので、文章から【声】が聞こえるわけです。

写真には、【声】はありませんが、【様子】が映ります。
表情、態度に、感情や誠実さが現れます。

動画であれば、尚更です。

今は、個人も企業も、多くの情報発信をする時代。


吠え声には、気をつけないと・・・売れません。

 

ホイラーの3原則
その1 平均の法則

ころがりません!、という角型選択バサミの話が紹介されています。

当時、一般的だった丸型選択バサミより高い価格だった後発商品。

この商品価値(シズル)を表現したのが、「ころがらない」という形態上の特長と顧客である主婦の利便性に訴求したフレーズ(コピー)で売れたというエピソード。

他には、インディアンのモカシン(皮靴)を、「本物のインディアンの靴」として販売した話。

顧客の商品価値(シズル)は、具体的な顧客像と顧客の心情や場面にフォーカスする、と伝えてくれています。

平均の法則とされているのは、顧客を絞り込み、心情や場面まで落とし込んだところで、商品価値を伝えるフレーズ(コピー)が多くの顧客に伝わるのだから、一人の顧客のことを考えたことが平均的に顧客に伝わるということです。

今では、ペルソナという言葉で、顧客像を設定したり、カスタマージャーニーと称して、顧客との接点やアプローチを設計したりと、手法は変われど、ターゲットを絞り込むという点は、昔から行われていたことだということです。

フィリップ・コトラー先生が提唱したマーケティング理論の中に、STP分析というものがありますが、これの「T」がターゲティング。「S」セグメントと「P]ポジショニングは、また後日。

二千年前にお客様に売れた心の動きが、今日のお客様にも売るのである。と、書かれています。

たった一人のお客様のことを考えて、そのお客様の場面やその時の心情を読み取ることで、商品価値を伝えるフレーズを考えてみる。

ターゲティング手法の一つである、「顧客プロファイリング」と同じ。

顧客層、顧客像、上得意客、理想の顧客像と、プロファイルする際にも、どのようにターゲット設定するかで異なるからこそ、先ずは1人のお客様から、その人物像と場面を考えてみるということは、忘れてしまいがち。

自分のビジネスで取り扱っている商品やサービス毎に、それぞれ一人のお客様のことを考えてみる・・・突破口が生まれるかもしれません。

 

ホイラーの3原則
その2 XYZ公式

顧客の購買動機について、XYZの3つがあると書かれています。そして、それぞれを財布として見立てて3つの心の財布あるとしています。

X:自衛本能、Y:ロマンス、Z:金銭


自衛本能とは、自分自身のこと(不安や悩み、期待)
ロマンスとは、相手と楽しむこと(楽しめること)
金銭とは、文字通りのものの、価値を金銭に換算することも含むようです。

公式としているものの、伝えたいことは、
【顧客は感情でモノを買う】
と、いうこと。

セールスを複雑に考えずに、シンプルに考えて(XYZと)、顧客の感情に伝わるフレーズを伝えることが大事だと書かれています。

本の中で、「昼寝用のいす」というモノが出てきます。


フレーズとして紹介されているのは、
「頭がすっきり休まるように、科学的につくられている」
と、・・・個人的には欲しくなります。

この公式を締めくくる言葉は、
「頭よりも、心(ハート)の方がお客様の財布の近くにある!」と、いうもの。

現在は、行動経済学や脳科学で、いろいろなテストが行われて、書籍にも多くの事例があり、顧客が感情でモノを買うことは、知られているけれど、80年以上前に、このことに気付いていたホイラー先生は、さすがです。

現在のマーケティングでも、セールスでも、ネット通販の説明でも、売り文句(コピーライティング)は、とても重要。

言葉選び、表現、使い方等など、これからもトライアル&エラーです。

 

ホイラーの3原則
その3 AとBのルール

セールストークのつくり方についての項目です。

利益を述べるのが、A
立証するのが、B

本で書かれている事例は、当時の百貨店で売られているシャツの話だったりするので、今では実感が湧かない話です。

しかし、立証することの方法や演出にこだわるという部分では学ぶところがあると思います。

シャツの話は、シャツの特長が「軽い」ということを伝えたいので、最初は、息を吹きかけて生地を吹き飛ばすというものが、お客に実感してもらうために、重いシャツを羽織らせて、次に軽いシャツを羽織らせるというもの。

軽いというお客にとっての利益を、羽織らせるという行為で立証しているということ。

現代風では、立証する方法が「ユーザーレビューや★の評価」、「お客様からの実際の声」や科学的証明、事例ということになります。

この古い本に、「絵は、立証の好材料」ということで、BEFORE、AFTERの写真の例が、取り上げられています。

80年以上前の本でも、やはりBEFORE、AFTERは効果あり。


だったら、今でも効果があるのは疑えないことです。

動画や写真は、これからのマーケティングやセールスには必須のパーツです。

何もBEFORE、AFTERでなくても写真は、効果があります。

あるクライアントさんは、お客様と撮影した写真を、
「お客様ギャラリー」
として、ホームページに掲載しています。

ユーザーレビューやお客様の声はありません。


しかし、このお客様ギャラリーへのホームページのアクセスは上位3位内に入るほどで、いわゆるキラーコンテンツ。

もちろん、更新頻度は1週間に1回は行っています。

お客様のメリット(利益)と立証がセットになっていることは、効果があることであり、必要なことだと改めて認識させてくれます。

 

ホイラーの法則:事例やポイントのワンポイント解説

本では、ホイラーの公式5か条と、3原則を伝えた後には当時の事例を交えて、この8つのことを振り返っています。

事例が、80年以上の前のアメリカですから、話としては、理解できるけれど、やはり古い話となります。

ですから、この事例紹介の中から、ポイントとなると思われる部分を、私なりの解釈で、現代の事例に置き換えてお伝えしてみます。

【最初の10語】
シズル(顧客の価値)を見つけ、言葉を短く凝縮して、相手に伝えることは、後に続く10,000語よりも、重要だとしています。

このようなことは、今でも言われます。

御社の特長(商品の特長)を一言で言うと・・・


ほとんどの人が言葉に詰まります。

私も、そうでした。

ちなみに、私の特長は、「元刑事」です。と、言うと、興味を持ってもらえます。

ただ、仕事の内容ではないので、面白そうというだけで仕事のスキルや実績につながらないので、セールスとしてはNGです。

例えば、「中小企業の売上を上げています」・・・どうも生意気に聞こえますし、仕事の内容がわかりにくいから、NG。

この最初の10語は、法則第1条にある、シズルとユー能力(顧客視点)から、考える必要があります。

私は、マーケティング(売ること全般)が仕事ですから、ツールの使い方のプロなのか、何かの分野でエキスパートなのか、ここでは、ターゲットを絞り込む必要もあります。ここで、自分の仕事を振り返ると「器用貧乏」が災いしてししまいます。

インターネットマーケティングや広告も、設計も設定もやるのですが、それが主たる仕事ではないのです。

時代のトレンドに乗る方法もありますが、それが自分の特長として、特異専門性や競争優位性があるかと言えば、そうでもないとなります。

中小企業のコンサルティングを長年やってきて、経営者の方々のアタマを悩まし、解決して喜ばれたこと・・・。

「新規集客で貢献」(7語)

新規集客という言葉は、経営にとっては必要なことです。更に、貢献という言葉は、実績があるからこそ、使える言葉として、選びました。

この言葉でも、尖ってはいないことから、まだ詰めていく必要はありますが、参考になるとは思います。

短い言葉(10語)に、自社(商品)の特長を凝縮して伝えることは、非常に重要だと言えます。

【10秒の注意】

広告にしても、セールスにしても、顧客が集中する時間は最初であることは、疑う余地はないと思います。

ヒトは、どのくらいの時間に集中できるかというデータが、2017年に発表されましたが、金魚以下だったのです。金魚9秒、ヒト8秒。。。

80年以上前のホイラー先生も、10秒と言っているので、ヒトは、ほぼ集中できないと言えます。こう考えると、広告のタイトルやコピーがいかに重要か、セールスで初対面の際の10秒がどれほど大事か、プレゼンで本題に入る「つかみ」にどれだけ工夫するか、ということは、おわかりいただけると思います。

【3分以内】

大事なことは、3分以内で説明を終えなければ、聞いてもらえない、と書かれています。

10秒でつかんで、3分以内に話しきる。

現代の広告でも、ネット広告も同じだと言えます。you Tube広告は、15秒以内で。と、言われています。バンパー広告(固定広告)の設定は、6秒です。動画再生時間も、3分以内と言われます。


なぜか、現代のツールでも同じ時間です。

対面のセールスであれば尚更です。今の消費者や顧客は、インターネットのおかげで
下調べをしているため、事前知識があります。そこに、くどくどと長い説明が始まったとしたら・・・思う結果が得られないことは、想像がつきます。

3分以内は、現代にも通じる時間です。

【物知りを尊敬しろ】

お客様に話をさせろ、と書かれています。前述しましたが、現代の消費者は、物知りです。オタクという言葉があるように、売り手よりも買い手の方が、はるかに詳しい場合も多くなっています。こうなると、下手な説明は不要です。だから、お客様に話をさせる・・・この行為は、お客様自身が説明し、理解するという自己肯定をすることになります。売り手側は、「同意」、「共感」しておくことで、自然と、クロージングに向かうということです。

このことは、セールスの場面だけではなく、ネット通販の場合でも、応用できます。

売り手側が説明するというスタイルではなく、お客様から、このように言われています、というスタイルで説明するというものです。お客様の声として、原文掲載のものが多いのですが、その原文に、注釈をつけて、使用後の感想や利便性など、シズルにつながる部分を強調しているものも見受けられます。お客様に話をさせることで、売り手の不利になることはないと思われます。

【イワシ売るな、宙返りを売れ】

ホイラーの原則第1条に似ていますが、このエピソードは、面白いものです。

イワシの缶詰を売るのに、イワシを説明するのではなく、1カ月に一度、「宙返りしている」と説明したことで売れたという事例です。イワシが宙返り・・・アタマの中で思い浮かびます。そんなことは、ないはずなのに。しかも、ユーモラスです。

つまり、好奇心を刺激しているのです。

イワシの宙返り???・・・と「どういうこと?」と、聞きたくなります。ご自分の商品やサービスの特長で、このような好奇心を刺激する例が見つかることで、お客様からの問い合わせが増えるという結果につながります。

また私の場合で、恐縮ですが、「元刑事のコンサルが、あなたの顧客を逃がしません」

と、ドラマ風になりませんか?

アタマの中で、イメージが浮かぶことで、より興味を引き、好奇心を刺激するということです。

他にも、好奇心を刺激することを考えた場合には、「美女しか振り返らない、〇〇〇」

若い男性の好奇心は刺激すると思います。

「クレオパトラが、隠し通した美しさの秘密」これも、隠されたら見たくなるという好奇心です。

ご自分のビジネスや商品で、考えてみてください。

最後に、この言葉をご紹介します。

【魔法の言葉ではない、言葉の魔術はある】

言葉の魔術、この本を読んで正にその通りであり、自分もこのスキルを身につけたいと思いました。(既に、20年以上も前のことですが)

このことは、現代もマーケティングとセールスには必須と言えます。もしかしたら、今の方が必要なスキルとなっているかもしれません。

商品もサービスも、似たものが溢れている時代。どのように差別化するか、顧客に伝えるかの違いで売上は、大きく変わります。

ですから、言葉の魔術から突破口が開けると言っても過言ではないのかもしれません。

このようなことを考える際には、すぐに思いつく人もいれば、なかなか出てこない人の方もいます。「必勝フレーズ」、「10語のキャッチコピー」は何度も書き換えていいと思います。

結果は、お客様が決めてくれます。売れ始める、問い合わせが増えるなどの成果が
現れます。

私もそうですが、諦めずに考え続けていきたいと思います。